千鶴堂通信

リアルタイムプロモーション

以前、とあるサイトを見ていた時の話しです。

興味を引くある製品のプレゼンテーションムービーがあったので、見てみようと思いクリックしました。

すると、会社名、部署、氏名、電話番号、メールアドレスを入力しないと見られないと気づいたのですが、とりあえず入力してそのムービーを一通り見ました。ここまではよくあることです。

そして、そのまま仕事をしていると一本の電話が入ってきました。

「私は○○会社の○○と申します。先ほどご覧になられた当社のムービーはいかがでしたか?」

一瞬、ぞっとしましたが、これもインターネットだから成せる技なんだなって妙に納得もしてしまいました。

ムービーを見終えておよそ４０分後の話しです。

今回は当然断りましたが、生活者の視点に立ってやり方さえ工夫すれば、

いろいろ応用できそうだなと思いましたが、みなさんはいいアイディアが浮かびましたか?

淘汰が進むのか?不動産ポータルサイト

ネットプロモーションでは自社サイトにユーザーを呼び込む他に不動産ポータルサイトに登録する方法がありますが、すべてに出稿するとなると多大なランニングコストがかかります。

そこで、どのポータルサイトを選択するかということになりますが、インターネットの世界では、ポータルサイトのようなモデルは2つまたは３つぐらいに絞られると言われています。

これから熾烈な競争が繰り広げられそうですね。

ポータルサイトは費用対効果が一番重要ですが、そのためには物件数の確保が大前提となります。

以下、ご参考までに。

大阪市内の新築分譲マンション件数（０６年６月２８日調べ）

住宅情報ナビ　１１２件、HomePlaza　８１件、Ｙａｈｏｏ！不動産　７８件、

新築HOME'S　７５件、リビングファースト　７３件、ホームナビ　６６件、

マイナビtv　５２件、NIKKEI住宅サーチ　２７件、MAJOR７　２７件、

Live in Kansai　６件

ログ解析好き

昔から広告や販売促進の費用対効果についてはうるさい方だと思っています。

公言しなくても自分なりの数値目標を掲げ、常に得られた結果と比較していたと思います。

そういう意味で、反応が如実に表れる景品付アンケートやクーポン広告はよく実施していました。

もちろん、アンケート結果を１００%信じているわけではないし、広告なら長期的ブランディングとの兼ね合いもあるので、結果至上主義ではありません。ただ、これを繰り返すことが、プランニングスキルを磨くと信じていた部分はあります。

その私がWebというメディアでアクセスログ解析と出会ったとき、そのポテンシャルに圧倒されました。

今までのアナログメディアのファジーなレスポンスと違って、実に細かくかつ正確で、しかもスピーディに反応が確認できる。特に最近のログ解析機能の進化には目を見張るものがあり、マーケティングへの応用は無限に拡がります。

そのことを知人に熱く話したら、「ふーん」という反応。どうやら、人類はログ解析好きと無関心層に分かれるみたいですね。

常に最新にして

医療用語にEBMという言葉があります。EBMとは、Evidence-Based　Medicineの略で、根拠に基づく医療と訳されます。

簡単に説明すると、医師が患者の治療方法などを選択するにあたって、慣習や経験や権威者の判断で決めず、確固とした証拠に基づき科学的に最良の判断をしていこうとする考え方です。

一見、「人の命を預かる医者だったら当然」と思われるかもしれませんが、「科学的に最良の判断」というのは実は非常に難しいのです。

例えば、以前に行った正しい治療法を再選択するというのはEBMに反しています。なぜなら、その間に新しい臨床試験結果が出たかもしれないから。EBMでは、最善の選択の前に「最新にして」という言葉を付け加えなければならないのです。

これは、Web業界にも当てはまります。その時は最も効果の高いシステムやサービスであっても、時間の経過とともに、競合他社に追い抜かれていたなんてことはまさに日常茶飯事。特に価格は要チェックで、効果はさほど変わらないのに、料金は何倍も違うなんてことが現実にあり得ます。

もちろん、会社の信用度やメンテナンス、リスクヘッジなども考慮に入れる必要がありますが、「常に最新の」を念頭において総合的に判断することが大切です。

高度化専門化するWebの中で

Web制作会社のHPを見ていると、「この会社に任せば、きっと間違いのないサイトを作ってくれるんじゃないか」って思えることがしばしばあります。

しかし、いざ発注をして、出来映えや対応が悪かったり思うような成果が上がらなかったら・・・。

このような話しは、Webに限らずビジネスのあらゆる局面で発生します。

では、このような場合、広告制作の世界ではどのような対処をしているのでしょう。

広告代理店がクライアントと広告制作会社の間に存在している場合、問題解決が非常にスムーズに運びます。代理店が制作ディレクションを的確にしなおすこともあれば、制作会社内の担当者を替えたり、どうしてもその会社では無理と判断した場合は制作会社をはずしてしまうこともあります。

そういう意味で、中間に会社を入れることは、費用面でのデメリットもありますが、数多くのメリットがあるといえます。特に、広告代理店やゼネコンのように、多様な専門分野を束ねながら一つのものを創り上げるには、こういったディレクター兼コーディネーター役の存在が欠かせません。

もちろん、これからのWeb業界にも必要な存在となるでしょう。

地球にやさしいWeb

昔、折込チラシを紙爆弾と表現した人がいました。

「ターゲットエリア一帯に紙爆弾を投下しよう」と。

実際、私の担当した大規模物件でどれだけのチラシを折り込んだのか調べてみたら、その数なんと１,000万枚超え。

「何本の木を伐採したんだろう」って、正直思いました。

そういう意味で、不動産広告において、インターネットは環境にやさしいと言えそうです。

ザ・ボディショップの創業者、アニータ・ロディックは提唱しています。「企業は、社会的貢献とビジネスを両立させるべきだ」と。

Webビジネスに携わることは間接的に社会的、ひいては地球環境にも貢献しているんですね。

エスカレートするWeb

現在、企業サイトにしろ商品サイトにしろ、生活者に向けたコンテンツではさまざまな切り口でアプローチしています。特に映画や飲料メーカーのような若年層をターゲットにした商品サイトでは、ますますエスカレートしてきています。

そんな中、BtoBサイトでも、ここまできたかという、エスカレートしたサイトを見つけました。

それが、読売広告社のクリエイティブ武士道（http://www.yomiko.co.jp/）。広告代理店らしく、パロディ調のリッチコンテンツです。

かなりの予算を投入していると思いますが、大胆なBtoB戦略で好感が持てます。

比較されるメディア

長年、マーケティング理論の消費行動モデルとして君臨してきたAIDMAの法則〔Attension(注意を喚起し)→Interest(興味が生まれ)→Desire(欲しいと思い)→Memory(記憶して)→Action(購入する)〕が、インターネットの普及によって、AISASまたはAISCEASといわれるようになりました。

AISASとはAtｔension→Interest→Search（検索）→Action→Share(共有)、

AISCESはAtｔension→Interest→Search（検索）→Comparison（比較）→Exsamination(検討)→Action→Share(共有)

Shareはイメージしにくいかもしれませんが、購入者同士によるコミュニティサイトのやりとりや購入後の感想を記したブログなども含まれます。

不動産を購入する場合、モデルルームに行くと半日は潰れてしまいます。そのため、行動を起こす前にインターネットで検索、比較、検討することは理にかなっているといえるでしょう。

WEBマーケティングでは、必要と思われる情報を掲出するだけでなく、いかに自社サイトを検索されやすくするか、いかに競合の中で優位性を強調できるかが非常に重要なポイントになります。特に、競争相手は十分意識しなければなりません。なぜなら、インターネットというメディアにおいては、ほんの一瞬にして同一モニターで比較できるわけですから。

そして、ユーザーは変わった

「インターネットをきっかけとした新築分譲マンションの購入件数は年間販売戸数の３割に達する。」

これは昨年からメディアでもよく取り上げられる話です。何をもって“きっかけ”とするのかは大京さんや東急不動産さんなど各社にお任せするとして、私はほとんどの購入者が比較検討段階でインターネットを活用していると思っています。

購入しようとする物件のHPやその事業主のHPはもちろんのこと、不動産ポータルサイトで対抗物件を見つけて比較検証したり、設計・施工・販売・管理といった関連会社のHPを調べたり、あるいはコミュニティサイトで意見交換をしたり・・・。

そういう意味で、買い手はますます情報力を蓄えてきているといえるでしょう。

では、売り手はどうすればいいでしょう。

日々のお勉強はもちろんですが、一番大事なことは、“インターネットによってユーザーが変わってしまった”ことを認識することではないでしょうか。

Webマーケティングって

千鶴堂の強みは、不動産ビジネスに精通したWebマーケティングが行えること。しかし、これを理解していただくには非常に時間を要します。ホームページを作る会社?インターネット広告代理店とどう違うの?なかなかわかってもらえません。そこでまず、「Webマーケティング」という用語を定義したいと思います。

Webマーケティングとは・・・

　WebサイトやWeb技術を応用したマーケティング手法。

　企業の事業内容によって内容は多岐にわたるため一概には言えないが、Web広告による自社のWebサイトや商品の告知宣伝、Webサイトで展開する商取引活動(いわゆる電子商取引)、Webサイトを窓口とした顧客との継続的な双方向の情報交換、消費者参加型の商品企画イベントの開催、また、事業内容に関連する市場調査やマーケティングリサーチにWebサイトやWeb技術を応用することなどがWebマーケティングに含まれる。

　消費者への自社ブランドの印象付けや、顧客ロイヤルティの獲得、リピータ確保などに効果が高く、うまく使いこなせば他メディアより低いコストで極めて効果の高いマーケティング効果を得ることができる。

　ただし、Webそのものと同じようにWebマーケティングも間口は広いが奥は深く、バナー広告を出稿する程度の単純なマーケティングは簡単にできるが、効率的に高い効果を得るためには、高度なノウハウが必要とされる。

（IT用語辞典e-wordsより）

そう、WebマーケティングではWebを実際のビジネスに活用することが大前提なのです。ホームページが作れる、インターネット広告ができるというのは、そのための“手段”。効果的なWebマーケティングを推進するには、何よりもクライアントの事業内容やターゲットを理解していることが重要といえるでしょう。